定性間伐

 今冬、社有林でスギ40~60年生造林地20ha程の間伐を実施している。間伐材搬出のため森林作業道(兼森林管理道)を作設しながら、植林木の成長過程で過密となった立木密度を調整する重要な施業である。全工程完成までには、まだ期間を要するが、完成した一部について適正な立木密度となっているか確認の現地巡回である。
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▲ 木々の形質や形状に重点を置き、隣接木との関係を見極めながら、基本的には成長のよくない木、曲がった木、雪害等被害木等を伐り、優良木を残す定性間伐を行っている。

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▲ バランスのとれた樹冠、形状比、立木密度等現地に適合した定性間伐施行地である。

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▲ 定性間伐で伐出される材は端材(バイオマスチップ用)の率が高い。成長不良木、雪害等被害木も間伐され、貴重な森林資源として有効利用される。一連の作業工程と現地を確認して兼子会長も満足の表情である。

思うこと
 間伐には木々の形質や形状に重点を置く定性間伐、密度に重点を置く定量間伐、高性能林業機械によって低コスト、効率性に重点を置く列状間伐等の種類がある。弊社の社有林については基本的に定性間伐により密度を調整し、残存木の成長を促進する施業方針としている。木々が適度な間隔を保つことで、林床に光が届き、植生が繁茂、地表の浸食や土砂流出の抑制効果や水源の涵養機能の向上も期待することができるのである。
 しかし残念なことに、この頃間伐施行地で見られるのが、優良木を主体に伐採するという、定性間伐とは真逆の施業である。形状比が著しく高く、樹冠の小さな立木だけが残る。風雪害等の災害に弱い、何ともひ弱な林相の間伐施行地に出会うことがある。残存木の成長を促し、5年後、10年後の林相に期待できるはずの間伐が、将来性の乏しい林相になっているのである。
 私達は、先人の弛まぬ努力によって造成された森林の恩恵を享受している。今に生きる者は森林の恩恵を次代に繫いでいくということに真剣に取り組んでいかなければならないと思う・・・




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