葛(クズ)の脅威2

 伐ったら植えるという再造林の考え方、その取り組みは、持続可能な森林経営を目指していくための新たなスタート地点でもある。いろいろな課題を抱えながらも、木を植えて育てるという挑戦なのである。それに大きく立ちはだかって猛威をふるう難敵が葛(クズ)である・・・
P8200135.jpg
▲ クズは絡みつく相手を求めながらつるを長く伸ばして広い範囲で根を下ろしていく。繁茂力が高く、急速に成長し、土地の資源をすばやく獲得し、在来の植物を競争から追いやってしまうのである

P8200147.jpg
▲ クズは他の植物すべてを、葉で覆い隠し、幹を締め付け、枝を破壊することで根こそぎにしてしまう。(写真はクズが9年生の立木に巻き付き、全てを葉で覆い隠している。やがて降雪により潰されてしまう・・・)
P8200138.jpg
▲ 植栽木はほとんど被圧されている中で、その空間を抜きん出ている1本のスギがあった。本来であれば、このような立木で構成される広大な造林地になっていたはずなのに・・・

DJI_0068.jpg
▲ 平成26年に植栽された13haに及ぶ広大なスギ造林地、2年間下刈り施業を行い、その後手入れされないまま現在に至っている。すさまじい繁殖力によって、あっという間にその一帯を葉とツルで覆い尽くしてしまったのである。

  思うこと 
 皆伐して再造林しない、再造林しても適正な手入れが行われない、そして土壌が肥沃な林分ほどクズの餌食になってしまう。50年前の造林盛期の時代にも、その猛威はあったように思うが、山村の潜在的な林業労働力がクズの生長する時期に、人力で丁寧に蔓切りや刈り払いをし、猛威を排除してきたという歴史がある。今、山村に当時のような施行力は存在しない。このままでは、その一帯が葛(クズ)一強状態になってしまう。この現実を直視し、対応策を生み出していかないと有効な再造林事業は実現しないような気がする。資源としての活用方法(食料や家畜の飼料等)や除草剤の活用、新しい造林技術の創造、造林用機械の導入等真剣に向き合っていかなければならない・・・
スポンサーサイト



高校生の林業体験学習

 8月3日(水)、公益財団法人 秋田県林業対策基金主催による高校生の林業体験学習の一環として湯沢高校生2名が弊社の製材施設施設の視察に来てくれた。
IMG_2243.jpg
▲ 弊社事務所研修室において兼子社長から歓迎の挨拶の後、会社概要について説明があった

IMG_2245.jpg
▲ 会社全体の事業取り組みを動画で紹介した

IMG_2251.jpg
▲ 室内研修の後は、製材所皆瀬工場で丸太が製品に至る工程を視察した。地域の製材工場は数少なくなったが、住宅建築材料等地域需要に応えていくという取り組みについて説明を受けた

IMG_2253.jpg
▲ 続いて、稲川製紙用チップ工場では、チップ材はじめダスト、バークも貴重な森林資源として有効活用している内容の説明を受けながら、生産工程を視察した

 思うこと
 将来は「森林・環境」に関連した分野に進みたい・・・という。希望に満ちて話してくれる高校生の姿は初々しくも実に頼もしく思う。地域の将来を担う若者達にできるだけの応援をしていきたいと心より思う。暑い夏の日であったが、爽やかな思いの一日であった・・・


プロフィール

kitanihonsakudou2

Author:kitanihonsakudou2
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR