秋田林業大学校生の視察研修

 4月20日、秋田林業大学校生18名が、弊社の多角的な林業経営への取り組み、広葉樹及び小径木等の低質材を活用する工場を視察し、顧客に求められる素材を供給する「マーケットインによる林業経営」を学ぶことを目的に視察研修が行われた。
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▲ 弊社の現雄平貯木場事務所において、会社の事業概要やかつての雄平原木市場の活動内容についての説明が行われた。活発な質問等があり、さすが林大生という印象であった

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▲ かつての雄平原木市場機能を引き継ぎ、小規模ながら木材流通センター“広葉樹の森”として集材機能の発揮と有利販売に挑戦している。この木は何という木?何に使うの?・・・日頃余り接することのない広葉樹材に興味津々のようである

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▲ 主に製紙用の広葉樹チップを生産している稲川工場のチップヤードにて研修。チップはもちろんのこと、ダスト、バークも全て利活用される

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▲ 院内工場は、主に径級が16cm以下の小径木の加工を担当している。ローリング丸棒、型枠板材、パレット用板材等を生産し、付加価値を高めている

思うこと
  平成27年度から開講している秋田県林業トップランナー養成研修(秋田林業大学校)の研修修了生は、森林組合、林業事業体等の林業技術者として力強く歩んでいる。弊社でも第一期修了生2名が林業現場最前線で活躍している。日々研鑽を重ねながら現場技術はもとより、森林・林業・木材産業全般を見渡せる広い視野を持つフォレスターを目指してもらいたいと期待している。先人を含め地域が一丸となって植えて育ててきた歴史の延長線上に、日本一の面積を誇るスギ人工林がある。今、利用できるまでに成長したこの資源を有効に活用し、地場産業の振興発展に結びつけてもらいたいものである。そして、伐ったら植えるの思いを共有し、「国の宝は山なり、山の衰えは則ち国の衰えなり」(秋田藩家老;渋江政光)の教訓を継承していかなければならない。その最前線に、専門的な技術を持ち地域を元気にする若き林業技術者を養成する「秋田林業大学校」の存在がある。
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稲川(製紙用)チップ工場

 製紙用チップ〈広葉樹主体〉生産の稲川工場は、現在地で操業開始して、12年目の春を迎えている
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▲ 地域の森林組合、林業事業体からチップ原木〈広葉樹主体〉が搬入されている

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▲ 原木はショベルローダーによってバーカーに搬入し、剥皮される

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▲ バーカーで剥皮された原木は、ベルトコンベアーでチッパー機に送り込まれ、チップ化される

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▲ 製造された木材チップは、計画に基づいて定期的に出荷される

思うこと
 かつて、里山広葉樹は製炭材として、薪木材として、キノコ原木として、地域需要に供してきたという歴史がある。時代の変遷により生活エネルギ-が木材から化石燃料に移行していく中で、里山の広葉樹は更新されないまま高樹齢化しているのである。伐採更新されない林分においてはミズナラを中心にカシノナガキクイムシ穿孔によりナラ類集団枯損被害(ナラ枯れ)が拡大蔓延し、地域の大きな問題になっている。
 過年において、枯損被害拡大を終焉させたのは、正に伐採更新し、若返りを図ることによってと云うのが真実である。今、製炭等による広葉樹利用の拡大は現実的ではないが、本取り組みのように、製紙用チップとしての利用需要に更新の活路を見出し、広葉樹伐採更新に繋がればと願うものである。森林は環境財、公共財である。今に生きる者は、健全な森林を次代に繫いでいくことを大義としなければならない。弊社稲川チップ工場は、その大役の一翼を担っているのである。
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