今年のナラ枯れ

 今年はナラ枯れ被害が比較的少ないのではと思っていたが、今まで余り被害が見られなかった奥まった山の懐で、壊滅的な枯損風景に出会った。
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▲ 極相林を思わせる高樹齢の広葉樹林が赤褐色に染まっている。膨大な森林資源の消滅である。

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▲ 過年度の被害木は既に白骨化している。それに覆い被さるように今年度の被害木が赤褐色化して見える。

思うこと
 当地域においてナラ枯れ被害が最初に確認されたのが平成20年10月、雄勝町院内地区、山形県との県境に近い国道添いの森林であった。関係者が危機感を共有した瞬間であった。あれから13年余が経過、その間、膨大な広葉樹資源が失われた。カシノナガキクイムシの穿孔による枯損被害は風のように通り過ぎていくものではなく、一定期間の滞留があったり、数年経過して再びの被害が確認されるなどメカニズムがよくわからないが、大事な森林資源が確実に消滅していることは紛れもない事実である。地域及び関係者がこの現実を直視し、課題を共有して被害撲滅、森林の再生に取り組んでいかなければならないと思う。時の経過は当初、関係者が共有した危機感を希薄化させているように思う。次代に健全な森林を繫いでいくことは、今に生きる私達の使命であり、危機感を持って取り組んでいく必要がある。危機感が乏しいことは、最大の危機であると認識しなければならない・・・
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素材生産の今

 季節は秋、山林部6~7チーム(36人)による素材生産事業が盛期を迎えている。
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▲ 国有林内生産請負事業現場、伐倒担当は若いチェンソーマン

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▲ 伐倒されたものはグラップル/バックホウで森林作業道添いに集積される。これらの作業に先行して森林作業道作設のための支障木伐採(チェンソー)とザウルスロボによる伐倒木集積・作業道作設を行っている。

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▲ 森林作業道添いに集積された材は、ハーベスタによって枝払い・玉切りされる。建築用材、合板材、チップ材に区分される。

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▲ ハーベスタによって枝払い、玉切りされた材は、用途別に仕分けされ、フォワーダによって巻立土場に搬出される。

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▲ トラック道添いに巻立された材は、検知作業を経て、用途別にトラックで運搬される。

思うこと
 かつての素材生産は、鋸と斧で伐倒造材し、トビを使って動かし、馬橇で運材・・・そんな時代があった。30年ほど前から高性能林業機械の導入が徐々に進み、現在の素材生産事業は飛躍的に進歩した。林業技術者の育成、作業計画管理の充実と相まって、懸案の労働生産性、労働安全性が確保されているのである。この現実を林業関係者は解っていても、一般の人達には理解されていないような気がする。森林の適正管理、森林資源の有効活用は地域の重要なテーマであり、地域の人達に理解してもらうための取り組みも大事なことのように思う・・・
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