緊急性の高い人工林の密度管理(間伐)

 手入れの行き届かないスギ人工林が増えている。最近取得した社有林には適正な管理履歴のない林分が多い。できるだけ早い時期に密度管理(間伐)施業を行い、健全な林分に誘導しなければならない。
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▲ 過密状態で形状比が著しく高い。ヒョロヒョロな状態の林分であり、雪害木も多く見られる。

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▲ 蔓類の繁茂が著しい。スギ立木に巻き付いた藤蔓、上部で隣木にも絡みついている。

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▲ 森林作業道作設のための支障木伐採作業。経験を積み上げてきた技と林業マンとしてのセンスが、安全で効率的な路線形を実現させる。

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▲ ザウルスロボが路線形に添って支障木を木寄せしながら伐開、森林作業道を作設していく。
間伐施業を行うための先発隊の作業である。この後、ハーベスタ、フォワーダ、グラップルが合流して生産間伐が行われる。

思うこと
 かつて、森林所有者自らが山に入り、除間伐や蔓切り、枝払いなどを行っていた時代があった。自然界で山仕事に汗すること、木々の成長を実感すること等に喜びと充実感があると目を細めて話してくれた人々がいた・・・最近は見かけることのない、遠い昔の風景である。人が手入れすることを前提に造成されたスギ等人工林は、手入れされず放置され、荒廃している林分が多く見られる。このことによって木材生産機能の低下は当然のこと、水源涵養等森林の持つ多面的な機能低下も否めない。加速度的に荒廃していく中で、森林のできるだけの健全化を目指して日々挑戦していかなければならない・・・
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感謝の集い/情報交換会

 2月12日、地域森林・林業関係者等が参集して感謝の集い/情報交換会が開催された。弊社事業に指導、協力いただいている森林組合・林業事業体・県振興局・金融機関の皆さんに参集いただき、関係情報の学習会を行った。
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▲兼子社長開会挨拶の後、兼子専務より会社事業の状況報告並びに関連5題の情報提供が行われた。

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▲嶋貫雄勝森づくり推進課長より「森林経営管理制度の現在の状況と今後の見通し」についての講話があり、今こそ関係者が一丸となって森林環境税を基盤とする制度を活用して、適正な森林管理に取り組んでいこうと力強く話された。

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▲ 続いて DVD放映を含めて「イノシシの被害対策」についての情報提供があった。雪深い当地域においては今まで対岸の火事的なことであったイノシシ被害は、特に湯沢雄勝地域で目撃情報が相次ぎ、被害報告も増えているとのことであった。続いて日本政策金融公庫秋田支店の北村課長より林業・木材産業への前向きな応援資金の説明があった。最後に活発な意見交換もあり、有意義な情報交換会であった。

思うこと
 山村・里山は以前のような活力を失い、荒廃化の一途を辿っている。結果として過疎集落、限界集落、崩壊集落が増え続け、築いてきた生活境界が崩壊することにより、熊や猪などの野生動物が里山集落に頻繁に出没するなど、人里を創造する里山のイメージを失っている。
 将来における森林機能保全を考えていく上で、その最前線基地である里山の生態系の保護や景観の維持、そして現代人と森林の関係を見直す機会の提供など、森林を利用、保全しながら活力を再生していくことに取り組んでいく必要がある。そんな中で森林資源の適正な管理に向けて森林経営管理制度がスタートし、国をあげて取り組む体制となった。その先導的役割を果たすべく県、市町村、森林組合は連日奮闘を続けている。現実的に所有権者や境界の明確化等多種多様な課題が山積しているが、今こそ関係者が課題を共有し、力を合わせて乗り越えていかなければならない。今に生きる山人達の熱い思いがあるうちに、森林・林業・里山の活力再生の道標を示しておかなければならないのである・・・
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